7.
遺産分割協議
遺言書もなく、相続放棄等の申述の必要もない場合、故人の財産をどのように分割するか
相続人全員で協議を行います。
これを「遺産分割協議」といいます。
法律上、遺産分割協議に期限はありませんが、長年放置することにより権利関係が複雑になる等、問題が起こる可能性がありますので早めに協議なさる方がいいでしょう。
相続税の申告や、相続登記の義務化も踏まえ、早めに遺産分割協議を行うことが望ましいです。
相続が開始した際の、相続人が誰であるのか(相続人の順位)は、民法第887条・第889条に定めてあり、次の順位で相続人を確定していきます。
配偶者は常に相続人となります。
| 第1順位の相続人 |
子 |
| 第2順位の相続人 |
直系尊属(親等) |
| 第3順位の相続人 |
兄弟姉妹 |
| ※故人の配偶者は常に相続人になります。 |
代襲相続
上記の第1順位及び第3順位の方が故人よりも先に死亡(※)している場合、次に記載した方が相続人となります。(代襲相続)
●故人の子(第1順位)が先に死亡している場合
@故人の「子」が故人よりも先に死亡(※)している場合、故人の「孫」が代襲相続人となります。
A故人の「子」及び「孫」が故人よりも先に死亡(※)している場合、故人の「ひ孫」が代襲相続人となります。
●故人の兄弟姉妹が先に死亡している場合
@故人の「兄弟姉妹」が故人よりも先に死亡(※)している場合、その兄弟姉妹の子が代襲相続人となります。
A故人の「兄弟姉妹」の子が故人よりも先に死亡(※)している場合、その兄弟姉妹の孫は
代襲相続人とはなりません。
※欠格事由、廃除に該当し相続権を失った場合を含みます。
以上の順位を元に、戸籍の記載から相続人を確定していきます。
なお、当事務所において戸籍関係書類を取り寄せることも可能です。
戸籍のお取り寄せでお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
故人が遺言書を残していないときは、民法が定める「法定相続分」の割合で、相続人が故人の相続財産を承継します。
【よくある誤解】
子のない夫婦の相続において、「配偶者が財産をすべて相続できる」という誤解によく接します。
下記のとおり、故人の両親・祖父母等がご健在であればその方が、故人の兄弟姉妹(または甥姪)がご健在であればその方が相続人となりますので、ご注意ください。
なお、配偶者以外に相続人がいない場合は、その配偶者が全財産を取得します。
| 相続人 |
相続の割合 |
| 配偶者 + 子 |
配偶者 2分の1 |
子 2分の1 |
| 配偶者 + 直系尊属(親等) |
配偶者 3分の2 |
直系尊属 3分の1 |
| 配偶者 + 兄弟姉妹 |
配偶者 4分の3 |
兄弟姉妹 4分の1 |
※同一順位の相続人が複数いる場合、法定相続分を均等に取得します。